外交戦略が、イラクに対する戦争を防ぐことができなかったからといって、私たち、世界中の市民が、停戦を訴える運動を最後まであきらめてはならない。人権のもっとも基本は生命であります。そして、もっとも貴重で、普遍的な価値は平和であります。暴力は、人間が生きるどの局面においても、その連鎖を生み、深い憎しみを生みます。将来起こるかもしれない戦争を未然に防ぐために、戦争を行うなどということは、時代錯誤であり、明らかな虚偽であります。
戦争の本質は暴力であり、人間のもつ負の一面、醜悪さが、国家の主導によってより大きなテロリズムとして発現したものであります。
ゆえに国際市民社会における私たちはここに宣言します
国連機関は、今まさに、その正当性が問われる危機に直面しています。国際社会の平和と安全のために生み出された組織が、今その存在意義を問われているのであり、人類が今日も、そして明日も、軍事力の囚われの身のままでいるのか、それが試されているのです。
国連の役割を、大規模な暴力が過ぎ去った後の人道的援助だけにとどめてよいのでしょうか。
平和のために働く、私たち全ては、国連憲章の前文の言葉、「我ら、連合国の人民は、一生のうちに二度まで、言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い・・・」を再確認すべきであります。
また、国連の全ての加盟国は、損なわれた命と砕かれた理想のかけらを拾うようなことのみに終るのでなく、戦争の根源を断つという事前に果たすべき義務があります。
こ の前代未聞の危機がもたらす課題を、不平等な国家間のしくみのなかで、一握りの権力に任せておくわけにはいきません。
上記の目的のために、私たちは、以下のことを確認します。
国際市民社会の組織の私たちにとって、声をひとつにして、次の事項を主張し、実現することが、真に緊急の命題であります。
1. 拒否権という、反民主的な権力を持つ安全保障理事会は、世界の声を代表するには、常に適切であるといえません。この意味において、イラクにおける戦争の即時停戦の問題は、国連緊急総会がその聖なる義務を果たすべきであると確信します。
2. ゆえに、すべてのNGO は、国連の全加盟国に、緊急総会開催の要請をすべく、コンタクトをとるべきであります。なぜならば、戦争の惨禍に直面する今、沈黙することは人倫に悖ることになるからであります。
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