11月8日午後2時、今フォーラム実行副委員長の酒井小百合さんの開会宣言で幕を開けた。
初日、全体会の議長は、前ユネスコ事務次長・事務局長補のコリン・N・パワー氏が務められ、開会のご挨拶にはまずユネスコ総会議長・オマーン政府ユネスコ常駐代表のムーサ・ジャーファル・ビン・ハサン大使が立たれた。
引き続き、ユネスコ事務局長補・教育局局長代理のチエン・タン氏、OECD教育局局長代理のアンドレアス・シュライヒャー氏、日本政府ユネスコ常駐代表の近藤誠一大使の各氏よりご挨拶をいただき、それを承けて金子由美子理事長が主催者として挨拶を述べた。
開会式終了後、「創設者 野村佳子」のビデオが上映された。参加者は「野村佳子」が生まれ育った故郷「芝川」の美しい映像と共に、創設者の全生涯を貫いた「思い」と「心」を受け止めたようだった。 |
次に(社)日本ユネスコ協会連盟理事長・文京学院大学副学長の野口昇氏が壇上に立たれ、「今フォーラムの意義」として「今ほど世界が『野村生涯教育論』に求めている時はなく、今フォーラムはまさにその継承と発展の証である」と述べられた。
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続いて、今フォーラムの実行委員長を務めた生形泰子理事が、「受け継がれる遺産―2003年11月29日後の活動の展開」として、創設者を失った後、当センターがどのような道をたどって今フォーラム開催にまで至ったかを参加者に伝えた。 |
午後3時40分、議長のパワー教授に招かれた金子由美子理事長が壇上に上がり、基調講演「生涯教育 共存の秩序への覚醒―未来を啓く叡智―」が始まった。
金子理事長は最初に「今回、私たちがなぜテーマを『共存の秩序への覚醒』としたのか。創設者野村理事長が1978年に初めてここユネスコで開催した第2回国際フォーラムのテーマは『共存の秩序の模索』であった。以来、野村理事長は『人間が生き残るための秩序、法則が自然界にはある』ことを世界に提示し続けた。
21世紀を生きる私たちは、遺産として遺してくださった『原論』、即ち『共存の秩序』に覚醒しなければならないことを強く思い、このテーマを選んだ」と語った。
そして、21世紀を生きていく上で、前世紀20世紀を知ることが重要であるとしてその特徴を詳しく述べ、その上でその「時代認識」に立った「自己認識」が、この時代を生きる大前提として求められることを述べた。
そして「東洋の自然観」を基盤とする「野村生涯教育論」の中身を詳しく説いた上で、創設者が胸を痛めた世代の一人である自身が、この論によっていかに人間性を復活してきたかを語り、「生き残るという至上目的を全人類が共有したこの極限の時代、野村理事長が提示し続けたこの教育原理が人類を生かし得る『共存の秩序』であることを、現代を生きる私自身の人間復活の実証を通してお話ししたい」と語った。
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この日の最後に、初日の閉会の挨拶に立たれたユネスコ事務局長の松浦晃一郎氏は「『持続可能な開発』のためには教育は最優先課題であり、今後とも野村センターとご参集の皆さまとの連携、協力の継続がぜひとも必要である」と語られた。
松浦氏には、金子理事長よりメンバー手作りの「連鶴」が手渡され、長年にわたるユネスコ本部の深い理解による協力に対してあらためて感謝の言葉が伝えられた。
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−初日 レセプション− |
(於 ユネスコレストラン)
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玉谷専務理事 挨拶 |
挨拶するドイツ支部のコッペ氏 |