懇談会 レポート |
長野支部 第8回生涯教育懇談会
長野支部は7月30日(日)、第8回生涯教育懇談会を長野市生涯学習センターを会場に「生涯教育 時代を知る 自己を知る―失われつつある大切な価値とは―」のテーマのもと、議員、教育関係者、医療関係者、主婦他33名の参加で開催した。
同支部責任者の宮坂ふさ子さんの開会挨拶、ビデオ上映、その後同支部副責任者の石井美代子さんが提言を行った。
「私は現在、主人と40代の2人の息子と暮らしている。子育て中は、主人を『頼りにならない人。話しても無駄』と話もせず、また姑からはきつく当たられていると思い込んできた。子どもに高学歴をつけることが幸せに繋がると信じ、貯金をするためにパートにも出ていた。
ところが長男は専門学校に入学したが中退し、引きこもり状態になったことから学び始め、子どもの問題を通して夫婦の在り方を問い直し、自己を知ることだと教えてもらってきた。
先月の全国講座で30代の講師が、私と同じく、子どもを授かってからの結婚に、両親が世間体を気にしながらも、授かった命を守ってくれたから今の幸せがあると話されたのを聞き、私たちの両親はもっと世間体が気になったはずの時代に『授かった命を産みたい』という私の気持ちを受け止めてくれ、私は深い愛情をもらってきたのだと気づいた。主人も主人の両親と、どう責任を取るか話し合ってくれたことを思い出し、それがあって今があるのだと思えた。もらったものは当たり前にして、何ももらっていないという思い込みの中で生きてきた自分だったと反省になったその夜、帰宅すると、いつもは食事を済ませると自室にこもる長男が、主人と次男と3人で団欒し、私を待っていてくれた。責任者から私の意識の変化と繋がっていると教えてもらい、一番身近な主人を理解することが、どんなに大切なことかがわかった」と話した。
全体討議では、教育関係者から「学校教育ではテストで平均点以下だと肯定感が持てないような、そうした価値観になっていると思う。こうあるべきだとの思いで教えていくと、子どもに対して強い要求になりすぎると思う」との発言や、「『求めすぎない』というのはその通りだが、現場で子どもの態度や様子を見ていると、子どもたちに期待をかけて求めないと、大人になってから苦労するのではないかと心配になる場面が多くある。ありのままを受け止めた上で、教えるべきことは教え、褒めるところは褒めることが必要ではないか」との発言が続いた。
センターのメンバーは「皆さんのお話を伺いながら、私は学ぶなかで、子どものありのままを認めるには、まず親自身が自分を肯定できないと、自分が不足の部分を子どもに強く要求してしまうと教えてもらってきたことを思い出した。大人の側が、まずは自分の存在をほんとうに大事だと思えているのかを見定めていくことが大事だと思う」と発言した。
最後に責任者は「さまざまな立場からの発言をいただき、こうした場でいろいろな見方や価値観を知っていくことの大事さを思った。人と人とが関わり合うからこそ、喜びや悲しみが生まれ、生きている実感が持てると思う。生身の人間だからこそ持つ感情を大事にして、人間としての共通項に立つことが、共に生き合うことに繋がると思う。まずは足もとの家庭でそれを実践し、地域に還元していかれるような生き方をしていきたい」と1日を締めくくった。
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