夏のイベント レポート |
埼玉支部
埼玉支部は8月6日(水)、浦和コミュニティセンターにて、第3回子育て懇談会を「生涯教育 子どもの未来 地球の未来―家庭の価値と役割―」のテーマのもと、参加者31名、幼児・児童8名で開催した。
DVD「生涯教育国際フォーラムの足跡」を上映後、新川さんが次のように提言を行った。
「結婚後しばらくして夫から『もっとしっかりしていると思った』と言われたことにショックを受け、一人で必死に子育てをしていたが、長女が不登校になり、途方に暮れた。『ご主人に相談していくように』と先輩から助言を受け、今まで言えなかった本音を話し、少しずつ夫に相談できるように変化していった。夫にも子どもにも、自分とは違う思いがあることがわかり『相手はどう思っているのか』という視点を持てるようになった。
そうした中で長女も学校へ行き、就職できるまでに立ち直っていった。今まで夫からの言葉を『いつも私を否定する』と感じていたが、理解し合いたいという思いで言っていたのだとわかり、自分の見方の違いに気づいた。親である私たち夫婦が、お互いの気持ちを出し合い、繋がっていくことが、今日のテーマに通じると思う」
その後、全体討議に入り、最初に一人の母親から「小学生の子どもが3人います。夫の仕事で海外に住み、1年前に日本へ戻ってきました。子どもの未来は親にかかっていると思うので、教育関係の雑誌を読みあさっています。有識者の意見だけを参考にしているので、他の家庭がどのように子育てをしているのかわかりません。インターナショナルスクールに通わせていたとき、子ども同士の受けてきた歴史教育の違いから、いじめがありました。だからまず親が歴史を知り、子どもも自分の意見をしっかり言えるように育てたいと強く思いました。ところが日本の小学校に入ってみると、自分の意見を持つことや、人と違う考えを言うことは歓迎されていないように感じています」との発言があった。
それを聞いた元教員の参加者は「私はこの3月まで中学校にいました。おっしゃる通り、みんなと違う意見を好まない先生がまだ多いと思います。また勉強はできるけれども、自分の意見を言えない子が多いです。『自己表現力をつける』という取り組みをしていますが、意見を求めると、とたんに言えなくなってしまう子が多いのが現状です」と述べた。 また「私は昭和21年生まれで、戦後教育の影響を強く受けてきました。当時をふり返ると、事実とは異なることを学んできたと思います。だからこれからの子どもたちには日本の良さや日本の立場を学んでもらいたい。それを家庭の中でぜひやってもらいたいと思います」との発言があった。
そのやりとりを承け、同支部責任者が「創設者は『戦争をした時よりも後の方がその禍根が大きい。だからこそ戦争は絶対にしてはいけない』と終始おっしゃっていました。私たちは国と国の問題を直接的にはどうにもできませんが、センターでは一番身近な人との間で平和を築いていくことを、国と国との問題と重ねて課題にしていく、という視点を学んでいます」と話した。
その後、子育て真っ最中の若い母親たちから、子育ての悩みや、夫婦関係の不満など、赤裸々な発言が続いた。
それに対し責任者は「やはり大事なのはご主人と相談できる関係をつくることだと思います。子どもの命の源である夫婦が、ほんとうに信頼関係が持てたら、子どもは健やかに育つことを今日の提言から学んだと思います。そして『国際関係の調整の至難さと、夫婦間の調整の至難さは同じだ』と創設者はおっしゃっています。育った環境の違う者同士がつくる家庭が調っていけば、その家庭が社会に、社会が国に、国が世界にと広がっていく。だから一人の人間と一人の人間が理解し合っていく事がどれだけ大事か、ということが今日のテーマであり、未来に繋がるのだと思います」と述べた。
その後も母親たちは、気持ちを率直に出し合い、話し合う中で、日々の生活に追われるだけでなく、自分たちが今どういう時代に生きているのかの意識を持ち、夫婦の調整を図っていく大事さを確認し合い、一日を終えた。
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