FOCUS
平成25年度 「野村生涯教育講座」 開講
ひとつの願いの下に「野村生涯教育講座」全国で一斉に開講
 当センターが公益財団法人として新たな歩みを踏み出した4月、今年も全国一斉に「野村生涯教育講座」が開講を迎えた。
 開講にあたって作成された「開講ご案内」には、次の一文が全国共通で付された。

 「今年、厳しい寒さを通り、ようやく暖かな春の季節が訪れようとしています。
 いよいよ25年度野村生涯教育講座を開講します。
 昨年末、日本は大きく国政が変化しました。そして世界各国のリーダーが若がえり、新たな転換を迎えています。
大気にも海にも国境がないことが明白になるニュースを見るにつけ、科学革新の時代、否応なく国家間そして足もとの人間間で影響を及ぼし合っていることを実感する現実です。
 未だ収束のめどが立たない原発の問題、また、憲法を改正しようとする動き、近隣諸国との関係、また、足もとでは、いじめ、体罰、育児放棄など、私たちは今大変な社会を生きています。
 この激動の時代、めまぐるしく変化する社会の中、時代が変わっても変わらない、変えてはならない価値があるはずです。
 当センターは50年以上も前から、尊い人間生命、生きとし生けるものすべてを生かす宇宙自然界の秩序・法則を教育原理とし、そのもとに、自己教育を主軸に相互教育を図ってまいりました。
 時代をつくり、社会をつくるのは人間です。
 子どもたちに少しでも明るい未来を渡すために、今年も『未来創造学としての生涯教育―野村生涯教育原論』を皆さまとご一緒に学び、研鑽し合いたく、ご案内申し上げます」


 全国各地域のメンバーは、これを読み込み、話し合い、自分たちのものとする努力をしつつ開講の準備を進めた。
 また、この一文は英語にも翻訳され、海外各支部にも送付された。それに対して、パレスチナ支部のアマル・アブゥ・エマラ女史からは「多くの深刻な問題を抱えた、かつてない時代を危惧するお気持ちを共有させていただきます。
 変わることのない価値を持ち続けるために、私たちがいただいている『野村生涯教育原論』に忠実でありたいと思います。
 今年度の開講にあったって、私どもも皆さまと共にあり、明るい未来を子どもたちに残せるように活動していきたいと思います」とのメッセージが寄せられた。
 ブルガリア支部のマリア・ツォンコバ女史からは「とても素晴らしく力強い文章です。さっそくブルガリア語に翻訳して、私どものホームページにも載せさせていただきます。また当地で行う講座のお知らせとしても使わせていただきます」とのメッセージが届いている。
以下、開講を迎えた講座の中から、特徴的な高年講座を取り上げ報告する。

高年講座
 4月19日(金)、高年講座は当センター第二研修会館を会場に開講を迎え、30名が参加した。
 金子由美子理事長は例年、「敬老の日」のある9月には同講座に出席し、受講生に祝意を伝え共に一日を過ごしているが、今年は多忙なスケジュールを縫って、同講座の開講への出席を決めた。そこに、急速に「超高齢社会」へと向かうこの国にあって、高年講座に寄せる理事長の強い関心と願いが表れていた。
 はじめに、同講座責任者の萩原さんが開講の挨拶を述べ、スタッフ紹介の後、「野村生涯教育センターのあゆみ」のDVDを上映した。参加者は新たな門出にあたって、改めて今日までの50余年にわたる歴史の積み重ねに思いを馳せた。
 続いて、全国講座責任者の大塚さんが、「野村佳子生涯教育論 第一章 生涯教育への道程」の講義を行った。
 昼食を挟んで午後からは全体討議が持たれ、参加者から提起される具体的な問題に金子理事長は熱心に耳を傾け、一人ひとりに丁寧に助言していった。
      (中略)
 この日の最後に理事長は「まとめ」として次のように述べた。
 「今日は、皆さんのお話を伺えてとてもありがたかったです。
 今、日本は超高齢化の時代になっています。科学が急速に進歩するなかで、短期間に急激に生活が変化していきました。そうしたなかで、実は人間自身が一番戸惑っているのだと思うのです。しかしその戸惑いに気づかないほど、私たちは奔流のような情報化の中で生きてきているのです。
 今日まで人類の歴史が続いてくるなかで、今のような高齢社会になったのは初めてのはずです。しかもそれが近々5、60年の間にそうなってきているのです。ですから皆さんは、そのような空前の時代の高齢者だということなのです。そして私たち世代は、その後を追っていく世代だということです。ほんとうに人事ではない。生まれたばかりの子どもたちにとっても、高齢化の中での在り方というものが、ゆくゆくは必ず自分の問題になってくるということです。
 そうした時代の最先端を、今、皆さんが生きていらっしゃる。そしてその難問と向き合っていらっしゃるのだと私は思うのです。
 そうした構えを持つだけでも、今自分が出会っている問題に対する見方がすごく違ってきます。高齢化の問題は、それを支える側の私たち世代の大きな問題でもありますし、私たち世代が高齢者となる頃には、より深刻な事態になっているであろうと思いますだけに、皆さんの在り方が今の時代をつくる、その責任において頑張っていただきたいと思います」
 
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